「次元の狭間」

モンキー・パンチ先生の原作による国民的アニメ「ルパン三世」が3DCGアニメ化される劇場版「ルパン三世 THE FIRST」が12月6日(金)からロードショー。まさかの3DCG…。泣ける?押しつけがヒドイ?「STAND BY ME ドラえもん」や、色々と結末が話題となった「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」の山崎監督。どれもこれも随分とハードルの高いものを作る心意気には感服。普通「ルパン三世」にしても「ドラえもん」にしても怖くてなかなか手を出せるものではないはず。まぁ「ルパン」に関しては数々のテレビスペシャルや実写を作っているのでハードルはやや低めなのか?

何はともあれ、幼少期から見続けてきた「ルパン三世」の新作が出るというのは嬉しい限りで、そもそもこの企画は、今年2019年4月にこの世を去った原作者モンキー・パンチ先生、悲願の企画であり、3DCGになったルパン一味のキャラクター設定資料を観て「ワクワクするね」と、先生自身完成を心待ちにしていた作品との事。映画第一作の「ルパン三世 ルパンVS複製人間」かの有名なマモー様が登場したのが1978年。ホラー感漂う序盤からの壮大なラストは子供時代の私に強烈なインパクトを与えてくれた。そして、誰しもが一度は見た事があるであろう、宮崎駿監督の映画初監督作品「ルパン三世 カリオストロの城」が1979年。絶対的なお姫様の爆誕。ルパンを最後まで「おじさま」と言い続けるあざとさ、そして例の銭形よる「あのセリフ」によってルパン映画のヒロイン オブ ヒロインになったクラリス姫。彼女を超えるヒロイン21世紀の現代でもなかなか出る事は無いだろう。そして数々の名作を経て、2020年も間近の2019年12月「ルパン三世 THE FIRST」。さてさて、どうなることやら。非常に楽しみ。

そんな「ルパン三世」ルパン役初代の山田康雄さんが脳出血で倒れ亡くなってしまい、タレントの栗田貫一が代役に抜擢されたのが1995年。その後2011年に石川五右ェ門、峰不二子、銭形(名前複数あり)の声優を一新。以外と違和感なにく聞けるもので…。そう言えば、1987年のOVA作品「ルパン三世 風磨一族の陰謀」は声優を一斉に変えるという暴挙に出た結果、とてもじゃないが「ルパン」として楽しめるものじゃなかった。私も「お、見た事ないルパンシリーズあるじゃん」と当時のレンタルビデオで借りたものの。なんだろう。なんて言えばいいのだろう?友人の顔と声が合っていない気持ちの悪いような、不安定な気持ちになったものだ…。あの作品を最後迄鑑賞するのは苦行だった思い出がある。それに比べ2011年の声優変更は全然成功であり、山寺宏一の凄さを再認識するものでもある。

確かに、峰不二子の声も限界だったと言えなくもない。若々しいセクシーが失われつつあったのだ。そりゃそうだ増山江威子さんは交代時75歳だよ。スゴイ事だよ。75歳まで峰不二子だったんだもの。井上真樹夫さん(五右ェ門)や納谷悟朗さん(銭形)も亡くなってしまったがスゴイと言わざるをえない。高齢を感じさせない見事な役者っぷりでした。そんな中、未だ頑張っていただいているのは小林清志さん(次元大介)。2019年現在86歳。次元役48年目。人生の半分以上が次元大介。正直、声の老化は隠せない。悲しいけど。最近もTV版ルパン放送後のツイッターでもそんな話題が出ていて。そりゃそうだ86歳だぞ。そもそも、声がきつくなって来たのって、2009年の「見た目は子供の探偵」と絡み始めた頃からもうヤバかったじゃん。みんな「見た目は子供の探偵」に注目しすぎてさー。今更「声がヤバい」とか。「次元が年を取った」なんて今更ナンセンスな。もう一度言う86歳だぞ。五右ェ門も銭形も亡くなってしまう年齢だぞ。そんな小林清志さんに「私はもうすぐ逝きます。だからもう少しだけやらせて。」なんて言われたらさ、もうさ最後まで次元大介でいて欲しい訳。むしろ耳を次元に合わせられない方が負けな訳。

次元大介は小林清志であり、小林清志が次元大介である

いつまで頑張っていただきたいです。