「似て非なるモノ」

「あれ?先日○○○にいたよね。見たよー」なんて言われ。全く身に覚えの無い事ありませんか?その日は仕事してたし…。まぁ他人のそら似かな。なんて思っていても「犬も一緒にいたよー、あのズングリしたチワワ」。と追撃されると、もうそれは自分じゃないか?そこまでくると中々いないぞ自分に似て、尚かつ個性的なペットまでも似ているなんて人。これは、いたかもしれないな、その時。きっといたんだ。もう一人の自分が…

この世には自分と似た人間が3人いると言われています。
同じ民族である日本人が1億人以上いるんだから可能性の上ではなんら不思議ではない。ただし近しい場所や地域での目撃された・目撃したなんて場合はオカルトの香りがプンプンしてくる。所謂「ドッペルゲンガー」ってヤツだ。

「ドッペルゲンガー」とは一般的に日本では、自分と同じ姿をした分身のことと定義され。ドイツ語での元々の意味は「二重の歩く者」で。実際の人間の生霊が現れる超常現象とも言われる。どちらにせよ分身だろうが、生霊だろうがオカルトであることに間違いはない。そして厄介な事に自分でその自分を見ると死に至るという特殊能力付き。また、最初の目撃情報からだんだんと自分の近くに出現するようになる。古くから怪談や都市伝説で有名なので知っている方も多い事と思う。

日本では芥川龍之介がドッペルゲンガー現象にあったのではないかと言われている。彼の自死後に発表された作品「歯車」では「ドッペルゲンガー」と思われる謎のレインコートの男が出てくる。その作品の主人公はもう一人自分がいるとい妄想、強迫観念に悩まされ次第に狂っていく。他にも「二つの手紙」という作品は、主人公とその妻がドッペルゲンガーを見た…という狂った話。このような作品は彼の死と相まって芥川本人の「ドッペルゲンガー」体験を元に作られたのでは…と推測されている。他にもゲーテやエリザベス一世、リンカーンなど有名な人物も「ドッペルゲンガー」体験をしており、なかなか信憑性のあるオカルト現象と言えよう。

しかしこの「ドッペルゲンガー」現象。いくつかの事例の中では不可解な事もある訳で。他人が自分を見たという事はさておき、自分がドッペル体験した場合「自分そっくりな後ろ姿」とか「顔は見えないけど自分と同じ体型の」とかで自分と認識している場合が多数あり、そもそも自分を第三者視点でしっかり把握している方がスゴイ事で、雑踏の中で自分の後ろ姿がわかるとなると中々の能力なんじゃないだろうか。そもそもその程度の事で「あれは自分」と思い込むことは別の病気を疑う。「鏡に映る自分のような」なんて事もあるようだが、鏡に映る自分は脳に補正されている。友人や自分のペットでもいい、一緒に鏡に映ってみれば一目瞭然だ。違和感を感じるはずだ。美容室であれ?この美容師さんこんな顔だったかな?と思った事はないだろうか?顔立ちのバランスが左右対称でキレイに整ってる人間は例外だが。だいたいの人間は脳によってオート補正がかかっているため、実はちゃんと自分や近しい者を第三者視点では見れていないのだ。

そんな訳で「自分=ドッペルゲンガー」に出会って、それを「自分」と認識する事は非常に難しい事と思われる。それでも「自分」を見てしまい、それを「自分だ」と認識した場合は脳腫瘍や脳内血流で脳の一部の機能が低下しているか、精神の疾患も考えられるのでまずは病院へ行くべきだ。



それではこの写真を見て欲しい。

岡田眞澄(1935年9月22日 – 2006年5月29日)とスターリン(1878年12月18日 – 1953年3月5日)

この世にはまだまだ不思議な事もあるもので…