57.アニメ映画作品から復習するコスプレ –ジブリ編②–

前回は1994年の作品「平成狸合戦ぽんぽこ」までのご紹介。
今回は翌年1995年からのご紹介です。
1つ映画ではないマイナー作品が紛れていますが、ご存知でしょうか?
それではスタートです!↓↓↓↓

耳をすませば(1995)

© 1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH

「好きなひとが、できました。」(糸井重里)

函館在住の漫画家である柊あおい先生原作の漫画を映画化した作品。
(アニメの舞台は多摩〜武蔵野周辺ですがある意味で聖地ですね!?)
原作と映画で設定に実は大きな差がありますが、夢を追いかけつつ恋をしていくという若くどこかむずがゆいような青春の描写は、様々な印象を与える作品となっています。

© 1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH

こちらも基本的には日常系のためコスプレは存在するのか!?と思われそうですが、以前実際に洞爺湖で自転車に乗った聖司くんとさおじいさんのコスプレイヤーさんとお会いする事ができましたよ!湖畔の公園で自転車を押しているだけで絵になるという素敵なコスプレでしたので、ジブリコスの様々な可能性を感じることができました。

© 1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH

On Your Mark(1995)

© 1995 Studio Ghibli

※耳をすませばと同時上映
こちらは長編映画ではなく、ジブリ実験劇場というCHAGE and ASKAの曲「On Your Mark」と2人をモデルにしたキャラクターを主人公にしたショートフィルム作品。いわばミュージックプロモーションです。
(そのためキャッチコピーもないようです)

© 1995 Studio Ghibli

放射能で汚染された地表から地下に居住空間を移した近未来都市。都市で暗躍するカルト教団の施設へ突入する警官隊として2人が登場します。
6分50秒ほどという曲に合わせた短い作品ではありますが、スタジオジブリらしく情報量が多く想像を膨らませる様なSF世界がぎっしりと詰まった作品です。
(映像もちゃんと「ジブリ走り」してますしね)

© 1995 Studio Ghibli

警官の制服もありそうで無い少しSFチックなデザインとガスマスクのため非常に特徴的ですが、ググるとなんと劇中のもう1人のキーパーソンである翼の生えた少女のほうのコスプレをされている方がいらっしゃいました!
TV公開がされていない中々マイナーな作品ですがすごいですね!!

もののけ姫(1997)

© 1997 Studio Ghibli・ND

「生きろ。」(糸井重里)

宮崎監督が5泊5日の屋久島取材をして作成した作品。
ジブリ最後のセル画作品であり、これだけの作品でありながら3DCGは一部のみというものすごい作品。中世日本まだ人の世ともののけの住まう世界がとなり合わせだったころ、エミシの村に住む少年アシタカはタタリ神から村を守ろうと対峙した際に右腕に呪いを受け、村を追われることとなってしまう。
呪いの原因を探るためタタリ神が来た西の地へ向けて一人旅に出ることになるが、たどり着いた西の地でもののけと共に人と戦う「もののけ姫」と出会うことになり…。

© 1997 Studio Ghibli・ND

室町時代頃の日本を舞台としており、コスとしては和風の部類ではありますが、物語は主に山の大自然の中で繰り広げられるので屋外での撮影に向いている作品です。アシタカやサンの他にエボシ様を始めとしたキャラクター全てが魅力的というジブリならではの描写がされているので、どのコスプレをチョイスすることもできる素晴らしい作品です。

© 1997 Studio Ghibli・ND

ホーホケキョとなりの山田くん(1999)

© 1999 いしいひさいち・畑事務所・Studio Ghibli・NHD

「家内安全は、世界の願い。」(糸井重里)

他のジブリ映画に比べると過去に1度しか地上波ロードショー放映がされていないため、非常に残念なことに知名度の低い作品ではありますが、驚くことに作画枚数はもののけ姫の14万枚を超える17万枚という超大作映画。この理由が水彩の具合を出すという実験的な試みが使われたためのようで、ここでのノウハウがのちの作品である「かぐや姫の物語」での独特な筆の線画表現に活かされることになったようです。

© 1997 Studio Ghibli・ND

さすがに日常系でありコスプレは見たことはございませんでしたが、もしコスプレすることができれば先駆者となることができるかもしれません。
「こんな不思議な作品のコスプレは、きっと日本にいるのです …タブン」

© 1997 Studio Ghibli・ND

千と千尋の神隠し(2001)

© 2001 Studio Ghibli・NDDTM

「トンネルのむこうは、不思議の町でした」(糸井重里)

父が運転する10歳の千尋を乗せた車は引っ越しの途中で、怪しげなトンネルを発見するが、そこを潜ると広がっていたのは人が立ち入ってはならない神々の世界でした。実はこの映画は宮崎監督自身のちょっとした個人的な想いから生まれた映画でしたが、日本においては歴代興行収入第1位の作品であり、ベルリン国際映画祭では金熊賞、さらにはアカデミー賞においてアカデミー長編アニメ映画賞を受賞し、国内外世界中から多くの支持を受ける超人気作となりました。

© 2001 Studio Ghibli・NDDTM

もちろんコスプレとしても人気で、千尋やハクだけでなく、湯婆婆のコスプレまで幅広く人気があります。中でも作中のキーキャラクターである「カオナシ」のコスプレは初心者からコスプレ上級者まで広く人気で、北海道では実際に手からお菓子を出してイベント参加の皆さんを驚かせる方もいらっしゃいますよ。

© 2001 Studio Ghibli・NDDTM

猫の恩返し(2002)

© 2002 猫乃手堂・Studio Ghibli・NDHMT

「猫になっても、いいんじゃないッ?」(糸井重里)

こちらも柊あおい先生原作漫画の映画化作品。
函館在住の方であればテーマソング「風になる」(つじあやの)がよく地元FMラジオであるFMいるかから流れてくるのを耳にしていることと思います。
物語は学校に遅刻してしまった女子高生「ハル」がふとしたことから猫を助けたお礼にと「猫の国」へ招待されることになるが、猫の国の王「猫王」によって無理矢理猫の姿に変えて王子の妃にしようという陰謀に巻き込まれてしまう。
猫にされてしまうのを何とか防がなければならないハルは、猫の事務所で人助けをするバロン、ムタ、トトの助けを借りることになるが…。

© 2002 猫乃手堂・Studio Ghibli・NDHMT

実はこの作品は前作「耳をすませば」の月島雫が書いた物語という位置付けの作品でもあり、続編は作らないというジブリの中での唯一の準続編的作品です。
猫まみれでコスプレはあるのかという疑問がありますが、主人公のハルちゃんは人間姿のものや半分猫になりかけの姿をコスプレできますし、猫の男爵バロンの着ぐるみを制作なさったり、擬人化よりのアレンジでコスプレを楽しんでいらっしゃる方がチラホラいらっしゃいますので、意外と表現がききやすい作品となってるのニャ!

© 2002 猫乃手堂・Studio Ghibli・NDHMT

(作者先生的には函館は聖地に該当する作品ですよ!)

ハウルの動く城(2004)

© 2004 Studio Ghibli・NDDMT

「ふたりが暮らした。」(糸井重里)

原作はイギリスのファンタジー小説で、後半の展開をジブリアレンジした作品。
帽子屋のソフィーは兵隊に絡まれていたところを魔法使いであるハウルに助けられる、しかしその後ハウルを追う荒地の魔女にによって90歳のお婆さんにされてしまい帽子屋の皆を心配させまいと家を出ることになる。
道中奇妙なカブ頭の動くカカシと出会い、まるでついて来いと言われるままに導かれた先はなんとハウルの動く城であった。

© 2004 Studio Ghibli・NDDMT

魔法使いの美青年であるハウルの声を木村拓哉が、ヒロインのソフィーの声を倍賞千恵子が演じたことでも有名な本作、(英語版ではソフィーの声は通常時と老婆の時とを2人で演じ分けた模様)スタジオジブリの描くファンタジー世界はコスプレとの親和性が非常に高いため、こちらもよくお見かけするコスプレのテーマです。

© 2004 Studio Ghibli・NDDMT

ちなみに以前洞爺湖でお見かけした外国人コスプレイヤーさんのハウル&ソフィーのコスはまた素敵な雰囲気がありましたよ!

ゲド戦記(2006)

© 2006 Studio Ghibli・NDHDMT

「見えぬものこそ。」(糸井重里)

アーシュラ・K・ル=グゥインの原作小説を映画化した作品。
宮崎駿監督の息子である宮崎吾郎監督が初監督としてデビューした作品としても有名です。映画の評価としては残念ながら振るわなかったこともあり見ていない方も多い作品と思います。

© 2006 Studio Ghibli・NDHDMT

しかしながら原作は1968年から長く出版され続けたこともあり、ファンは世界中に広く渡るため(実は宮崎監督親子も揃って原作小説の愛読家であったそうです)意外とコスプレはチラホラと見られる作品です。

© 2006 Studio Ghibli・NDHDMT

監督違いということからまだ見てない方も多いと思いますが、この冬時間がある時に他の作品と見比べて見るというのも良いかもしれませんよ。

第二弾は2006年まで

1994年から飛んで2006年までの8作品の紹介となりました。
一番の違いはセルからCGにかわるというコンピューターアニメ時代の到来でしょうか、そのため表現出来る事の幅が増えたり、逆にあえてパソコン時代に逆行してみたりと様々な試行錯誤がみられる時代でもあります。
そのため作品知名度としてはものすごく顕著な差が出てしまったため、コスプレのチョイスには偏りが出て来たかもしれませんね。
日本のアニメ映画史におけるキーパーソン「スタジオジブリ」次回が最後第3弾となります!

参考:Wikipedia、スタジオジブリ三鷹の森ジブリ美術館、ジブリ関連書物等

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