49.旧作アニメを復習してみる(80年代編④)

長かった80年代も終わろうとしています
ちょうど年号も昭和から平成に変わるころ。世間も時代の変化の最中、アニメはどのようなものが放送されていたのでしょうか!

1988年

魁‼︎男塾(東映動画)

©宮下あきら、東映動画

男塾とは、全国から行き場を失ってしまった不良少年を一同に集め、過激なスパルタ教育によって一人前の「漢」に育てあげる塾である。
当初はギャグ漫画でしたがバトル漫画へシフトしていきましたのでキャラクターの個性やポージングは抜群(個性は元々強すぎるくらいでしたが…)
コスプレもなんと検索すると衣装やグッズが販売されているようなので、真の漢を志すコスプレを求める方はぜひご一読を!(多分読むだけで腹筋が鍛えられます)


魔神英雄伝ワタル(サンライズ)

©サンライズ
http://www.mashin-eiyuuden-wataru.net/

救世主として現代から神の世界である神部界へと連れていかれてしまった戦部ワタルは、神部界の中心に位置する創界山に現れた悪の帝王ドアクダーの討伐への旅に出ることとなる。
シリアス作品への傾向の強くなったアニメ業界に、かつての子どもに向けた楽しい作品への原点回帰を目指して作成された作品です。龍神丸や戦神丸など頭身の低いロボットは流行のビックリマンからインスパイアされたデザインでこちらもターゲット層を意識してのものでした。
近年もWEBアニメとして放送されたり、ゲーム作品へデビューするなど懐かしいながらも当時の人気の高さを伺わせる作品です。
子ども向け冒険活劇のためロボットだけでなく、キャラクターもカラフル&ポップにデザインされ、劇中で生身での戦闘シーンもあるのでコスプレ目線でも非常に楽しめる作品となっています。


鎧伝サムライトルーパー(サンライズ)

©サンライズ
http://samurai-trooper.net/

聖闘士星矢から大きくクローズアップされた「バトルスーツもの」の流れを組む作品がコチラ。内容は甲冑型のバトルスーツを持つ5人の少年が運命に導かれて、人間界征服を目論む妖邪の軍勢と戦うバトルストーリー。
コスプレ目線としても全身に着込む鎧擬亜(よろいギア)の造形があることから、ガワコス向けでもあると解釈ができます。また現在でも各メーカーから精巧にリメイクされたフィギュアが販売されているため、当時の映像では確認することができなかった細部の造形を知ることができるので、ガワコス製作での参加を考えていらっしゃる方には参考になる資料が今でも手に入れることができるのは嬉しい時代ですね。


それいけ!アンパンマン
(トムス・エンタテインメント)

©やなせたかし、フレーベル館、TMS、NTV
https://www.anpanman.jp/

やなせたかし先生原作の絵本シリーズのアニメ化作品。
88年の放送以来、現代に至るまで作品が作られ続ける長寿番組となっています。
アニメの長期化に伴ってキャラクター数も非常に数が多く、その数なんと2,000キャラクターにも上るとか。(ギネス認定もされているようです)
数は多すぎて把握しきれない程では有りますが、レギュラーキャラクター以外に定期的に登場する準レギュラーキャラクターも存在しますので、意外と覚えているという方も多いかもしれません。
ちなみにコスプレ界隈では主にガワコスレイヤーさんや、より擬人化に近づけたアレンジレイヤーさんも多くいらっしゃいます。子ども向け作品のため小さい子から幅広く知られておりイベントでは中々に目立つコスプレでもあります!
(ちなみにググるとものすごいアレンジの方々もいらっしゃいますよ)


美味しんぼ(シンエイ動画)

© 雁屋哲、花咲アキラ

「究極」と「至高」2つの料理メニューをメインテーマにしつつ、昨今の社会事情も含めたあらゆる側面から食へのこだわりを追求する作品として有名な本作。
またしてもコスプレの難しそうな社会系漫画ではありますが、ネット掲示板や動画のような二次創作系作品の影響か、ライバルであり父親である「海原雄山」のコスプレが!
やはり「食」をテーマとする作品で食を愛するキャラクターなためか、色んなグルメ作品のレイヤーさんと絡んだり、自身も現地で何かを食べるというだけでも楽しい絵面となることから人気の模様です。(もちろん士郎コスの方もいらっしゃいましたよ!)


その他の放送は

おそ松くん<第2作>(スタジオぴえろ)
つるピカハゲ丸くん(シンエイ動画)
シティハンター 2(サンライズ)
新プロゴルファー猿(シンエイ動画)
ひみつのあっこちゃん<第2作>(東映動画)


1989年

おぼっちゃまくん(シンエイ動画)

©小林よしのり

小林よしのり先生原作の漫画作品のアニメ化作品。
作品内で生まれた「茶魔語」は多くの読者だけでなく他の作品にも影響を与えたある種の社会現象とも言える状態を引き起こしました。
コスプレはもちろん主人公である御坊茶魔の格好をするレイヤーさんが見られ、みなさん特徴的な頬の紅丸とツノの生えた様な頭を上手に再現していらっしゃいました。
原作ではほぼ2頭身のサイズでも、動きやポージングでよりそれらしさを演出する様子はコスプレの面白さを感じられます。


獣神ライガー(サンライズ)

©サンライズ

永井豪先生原作の漫画作品のアニメ化。
神話時代よりつづく長い戦いの歴史から現代に蘇った邪神から世界を救うため主人公大牙剣がバイオアーマーである「獣神ライガー」と一体化して戦うヒーローアクション。
巨大な何かに乗るというコンセプト自体は一緒ですが、こちらはロボではなくなんと生物ベースのいわば巨人に乗って戦うのがちょっとした特徴でもあります。

サンダーライガー氏Twitter画像より

ちなみにプロレスラーの「獣神サンダー・ライガー」は当初本作のタイアップとして生まれた選手でしたが、もしかすると今はこちらの方が有名かもしれませんね。(ちなみに私の友人が以前サンダーライガーのほうのコスで、イベント会場を闊歩いらっしゃいました!)


らんま1/2(スタジオディーン)

© 高橋留美子

るーみっくわーるどを代表するドタバタ×格闘ラブコメ作品!
格闘修行のためはるばる中国の呪泉郷までやってきた早乙女親子は、修行中に誤ってその呪われた泉に足を滑らせてしまい、水をかぶると父玄馬はパンダに、息子の乱馬は女になってしまうという呪いにかかってしまう。なんとか日本へ帰国したものの、次は格闘技術の相伝のために過去に玄馬が勝手に約束した許嫁を乱馬に紹介するが…。
当時も大人気の作品でキャラクターが格闘をするということから格闘ゲームとしても売り出されたり、後に実写作品としても作成される事にもなる不朽の名作です。
また本作は当時人気に火がつきはじめた「声優ブーム」を利用するように大量の登場キャラクターそれぞれに「キャラソン」を作成し売り出すというメディアミックスの手法も多く見られた作品です。そのため各キャラクターごとの「キャラソン」をそのまま利用して楽しめる「コスカラ」(コスプレでするカラオケ)で遊ぶのも面白いかもしれません!


ドラゴンボールZ(東映動画)

©東映動画

ドラゴンボールの続編「Z」
大人になった悟空の知られざる過去である戦闘民族サイヤ人の話が展開されて行きます。
シリーズを通して最長となる約6年以上のロングラン放送として、お茶の間のゴールデンタイムを独占し続ける作品であるため、80年代というよりも90年代の代表といったイメージが強いかもしれません。
先の通り登場人物の年齢が上がり、後には悟空にも2人の子どもが生まれるなど前作での冒険からの時間の変化を大きく感じさせる作品のため、コスプレとしても「初期の」「Zの○○のときの」など様々な棲み分けと再現がされ、非常に面白いジャンルとなっております。
6年分と今から見るには長くて大変な量ではありますが、おうち時間が増えた際に全部見るというチャレンジを敢行してコスプレに役立てるというのも一興ではないでしょうか。


機動警察パトレイバー(サンライズ)

©ヘッドギア、サンライズ

レイバー、それは産業用に開発されたロボットの総称である。建築、土木の分野に広く普及したが、レイバーによる犯罪も急増。警視庁は特形車両二課パトロールレイバー中隊を新設してこれに対抗した。通称、パトレイバーの誕生である。

…のナレーションから始まる本作は、これまでの兵器やファンタジーとしてのロボットではなく、現実の産業開発用のロボットとしてのいわば超リアルロボットを描いた作品。
そのため描写も現実の東京にもしもロボットが闊歩していたら?という程度の描き方がされるため、お話の内容もロボットアニメというよりはテレビドラマといった印象を受けることでしょう。
さらには警察という組織の内情や日本の国家体制にまで踏み込んで作成された面も人気の一因となっています。(この辺りはドラマ「踊る大捜査線」にも影響を与えています)

コスプレ面でも現実に有りそうで無さそうな、うまい境界線のデザインの制服となっている為、特車二課や特車二課整備班の制服がありますので、作中キャラクターになりきるだけでなく、制服を着ただけでも二課へ入隊!というシチュエーションとして遊べますので、コスプレの多様性を楽しむことができます。

↑苫小牧観光協会内ページ

ちなみに主人公泉野明の出身地がなんと「北海道苫小牧」であることから、イベントの際には聖地としてグッズ販売もありましたよ!
(声優の千葉繁さんがいらっしゃっていた事もありました!)


YAWARA! a fasionable Judo Girl!
(マッドハウス)

©浦沢直樹、マッドハウス

浦沢直樹先生原作の柔道漫画のアニメ化作品。
当初はこれまでのスポーツ漫画やこれまでのメジャーなヒット作品をインスパイアしたような要素を盛り込んだ柔道漫画として実験的作品として作られましたが、思惑とは裏腹に思わぬ形でヒットし、現実の柔道選手である田村亮子選手の愛称に本作の「ヤワラちゃん」をつけられた事から、すっかり柔道ブームを引き起こした本格女子柔道漫画として広く認知されています。
現実世界のスポーツものであり浦沢先生の特徴であるリアル路線な絵柄のため、コスプレとしては再現が難解な部類ではありますが、猪熊柔ちゃんの特徴を掴んでのコスプレは十分可能な領域なので、是非体育館や柔道場のようなスポーツの場でコスプレができそうな機会にはチャレンジして欲しいです。


笑ゥせぇるすまん(シンエイ動画)

© 藤子不二雄Ⓐ、シンエイ動画

藤子不二雄Ⓐ先生による世に渦巻く黒い心を描くブラックユーモア作品。
喪黒福造は人の抱える望みを叶える謎のセールスマン、あらゆる望みを魔法のように叶える一方でその契約には大きな代償がつくのであった。
現代社会の風刺的側面を持つ作品で、人の内面の愚かさや醜さに焦点を当てた内容のため、当初は青年漫画掲載で読者層も高めに想定しておりましたが、ゲームや実写化、TVCMなどのメディア展開が意外と多く行われ、意外にも小中学生への人気も増えた作品ともなりました。
主な登場人物は喪黒福造ほぼ一人ですが、さまざまなキャラクターの集うコスプレイベントであれば、キャラクターの性質上他の人と絡みやすいので、あの名刺を渡したり、悩み相談をしてみたり、「どーん!」をかけてみたりと、色々な遊び方ができますので今でも大人気のコスプレです!


ドラゴンクエスト(スタジオコメット)

©スクウェアエニックス

人気RPG「ドラゴンクエスト」を元に製作されたアニメ。
当時としては、アニメ→ゲーム化の流れは多くありましたが、TVゲームがアニメとなる例はまだ珍しかったことからもどれほどの人気であったかが伺えます。
内容は当時リリースされていたドラクエ1〜4までの世界観をベースにしたオリジナルストーリーで、BGMや地名など各所でファンをニヤリとさせる演出がされていました。
ドラゴンクエストの世界観の作品ですのでもちろん「ドラクエコス」のジャンルとしても数えることができますので、ドラクエファンの方は是非ともチェックしてみてはいかがでしょうか?


その他の放送は

新ビックリマン(東映動画)
魔法使いサリー<第2作>(東映動画)
ジャングル大帝<第3作>(手塚プロダクション)
シティハンター 3(サンライズ)
かりあげクン(東映動画)
らんま1/2 熱闘編(キティフィルム)
チンプイ(シンエイ動画)


ようやく80年代までまとめることができました
続編やリメイクや2作目などを省略しつつの紹介ではありましたが
書いてみると意外と作品数が多くてここまででも結構大変でした(汗

コスプレ目線での紹介のため、省略したりということも多くありましたが
そんな中にももしかしたら目から鱗が落ちるようなコスプレをしている方もいらっしゃるかもしれませんので、これからチャレンジしたいという方も諦めずにチャレンジしていって欲しいと思います。

というところで80年代編も一度ここまで。
(90年代はもっと多いので色々考え中w)

前回80年代編③はコチラ↓

参考:wikipedia、コミックマーケット年表dアニメストア