50.脇役コスの面白さ

久しぶりのコスプレ考察話です。
アニメファンのみなさんであれば主人公のほかにも「推し」の存在がいらっしゃると思われますが、そうではないアニメ等作品初心者の方は「主人公以外?」にピンと来ない方もいらっしゃるかもしれないという事で、今回はそちらの解説と考察になります。

主役とそれ以外の脇役

作品において主人公は英語で言うところのヒーローやヒロインの事です。
単語からイメージする通り、みんなの憧れであり中心人物とする場合が多いと思われます。

…が、作品は現実同様主人公だけで作ることはできないので、その周りのキャラクター達によって世界を構成しなければなりません。

70年代以前の昔の作品であれば、主人公と悪人という非常に単純かつわかりやすい構図の作品が大半ではありましたが、昨今の作品は敵や味方のみならず、味方の中の内情や敵同士の不仲など、どんどん現実のような複雑さを成して来るようになり、その結果主人公を取り巻くキャラクターたちの方にも、主人公以上に様々な個性や素敵な味が出るようになってきました。

そうなっていくことで昨今ではニーズの多様化も相まって、作品内からあらゆる好きなキャラクターを対象に「推し」として気に入ったキャラのファンになるという文化が発生しています。

簡潔にまとめますと、昔はただの「その他」程度だったものでも、主人公以外に強い意味合いやセールスポイントが含ませることができるようになったのが、今と昔の脇役の大きな違いです。

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
漫画「鬼滅の刃」の主人公炭治郎を支える「柱」、
彼らのように絶大な人気を誇る名脇役はいい例ではないでしょうか。

コスプレにおける脇役には大きな意味合いがある

上記のことからコスプレの場合は以下の点が魅力として挙げられます。

1.他のキャラクターが集まることで作品の世界観をより深めることができる。
2.シーンの再現などの絡みをすることができる。
3.人それぞれ違う「推し」を自分なりに表現することができる。
4.推しの表現で同じ推しの人と共感し合うことができる。

このように個人のみならず、集団においても楽しむことができるのでコスプレにおける「脇役」はある意味主役以上に楽しめたり、併せや写真の需要があると言うことも考えられるのです。

脇役にも種類がある

ここまで脇役の重要性に語ってきましたので
主人公以外の脇役をなーんとなく程度に大別化してみました。

主人公の直接の仲間勢

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

鬼滅の刃で言うと禰豆子や伊之助や善逸などのレギュラーキャラクターです。
こちらは準主人公として出番が多いためほぼ主人公と同じく、高い知名度でコスプレも非常にしやすいと言う側面があります。
ただし、人気から考えると被りを気にする方にはやや不向きと言えるでしょうか。


主人公の味方、他のチームメンバー

©鳥山明、集英社

主人公を程よい距離感から支える存在や同じ勢力のメンバーがこちらになります。いわゆる準レギュラーというやつですね。
例を挙げるとドラゴンボールの「亀仙人」や涼宮ハルヒの憂鬱の「鶴屋さん」などがこれに当たるでしょうか。
コスプレではこちらをチョイスされる方が多いでしょうか、やはり意表をついたコスプレでウケを狙ったり、このキャラ好きなんですけど!という推しへの想いをぶつけてみたりと、テーマを与えやすく知名度も高いためリアクションが大きいという側面もチョイス判断の基準なのかもしれません。


主人公の上司、先輩、先生など

© 尼子騒兵衛、NHK

主人公に助言を与える程度の関わりで、陰ながら応援してくるキャラクターです。
上記の味方やチームメンバーにも近いものですがここではより薄めの関係か一定の距離感のあるものとお考えください。
例として挙げると、忍たま乱太郎の「山田先生&土井先生」、スラムダンクの「安西先生」などの距離感がそうでしょうか。表現が難しい場合やすぐそれ分かりづらいという例もありますが、戦隊のシルバーやゴールド的ポジションがお好きな方であれば美味しい役どころではないでしょうか?


主人公のライバルキャラ

©モンキーパンチ、東京ムービー新社

敵味方に限らず主人公と対になる相手も人気のキャラクターです。
作品によってライバルの立場も色々で、純粋な敵の代表としてや、時には共闘する場面も見られるという様々な形態があります。
ルパンでいうところの「銭形警部」や、ポケットモンスターの例でいうと「ムサシとコジロウ」でしょうか(出番の少ないシゲルは置いておくw)
特にライバルキャラクターなどは準レギュラーとしてTVアニメであれば毎週のように登場するというレギュラー存在でもありますが、作品によっては居たら嬉しいコスプレというくらいのものなので、どんどんチャレンジしていただきたいテーマとなります。


敵勢力のその他

©空知秀秋、集英社

ライバルとは別に敵対キャラクターがこれにあたり、上はラスボスや一般の敵キャラクターなど多様にありますが、強大な敵としてもやられ役としても様々なシーンで絡ませて遊ぶことができます。
銀魂の「高杉一派」がこれにあたるでしょうか。
またあえて主人公勢を含めず「敵チーム」のみで併せを作成する事で、シュールなワンシーンを作り上げたり、強大でかっこいい「敵」という撮影を行うというのも楽しむことができます。


究極の選択肢「モブ」

アニメなどにおける本当のその他大勢、役名表示のない存在を「モブ」と呼びます。そんなコスプレできるのかという疑問が上がるかもしれませんが、例えば「進撃の巨人」のように制服や隊服・軍服のようなものが存在する作品であれば、部隊員・構成員のその他の一人として着たままの状態だけでもコスプレを成立させることもできます。
(制服系モブですと安易に出来ますので、番組司会やMCなどにもオススメできますね)

あ、ちなみに現実の“政治色の強い”軍服はNGのイベントもありますのでその辺りはご注意を。

ちなみに海外では過去にスターウォーズの「トルーパー」のコスプレを募集して、装備の出来栄えや「一般兵士」としてのアピールポイントを審査してパレード用のオーディションを行ったとか。

コスイベは意外なキャラの宝庫

©TRIGGER・中島かずき/キルラキル製作委員会
第一部のライバルであり強大な敵として君臨する生徒会

コスプレイベントにおける楽しみとして
「まさかのあのキャラクターが居た」と発見がある点も一つの特徴として挙げられます。
上記のように今では多くの人が主人公のみならず多くのキャラクターに愛着を持ち、様々なキャラクターが認知されるようになりました。
そのためイベントではレイヤーさんが苦心して作り上げた「推し」の姿や、楽しさそのものを共有することができますので、ぜひ見る側としても多くの作品に触れて色々なキャラクターを知っておくとよりイベントを深く楽しむことができると思いますよ!