38.旧作アニメを復習してみる(70年代編①)

前回の60年代編では
現代日本におけるのアニメーション業界の始まりでもある「鉄腕アトム」から
カラー放送が普及してきた頃の「アタックNo.1」までをご紹介してきました。

今回は時代を写し1970年代(昭和でいうと45年!)
この頃のアニメーションから
コスプレの参考になりそうな作品を中心にご紹介してみたいと思います。

1970年代

いわゆる「名作アニメ」と呼ばれる作品が出てくるのはこの頃です
そのため、年末のアニメ特集番組や
バラエティ番組のネタとしてなど当時直接試聴していなくても
知っているという作品が多い年代ではないでしょうか。

©ちばてつや、高森朝雄 、虫プロダクション

あしたのジョー(1970年)
戦後最大のヒット漫画の一つとしても数えられる作品。
その後もバラエティや他作品でのパロディとして扱われる事も多いため
本作を視聴していない方でも、概ねの内容を知っている方が
多いのではないでしょうか
特徴的な髪型ではありますが、ウィッグメイクの技術で
高いレベルでの再現をしている方もおり
鍛え上げられた肉体を披露するレイヤーさんに
おすすめできる作品かもしれません。

©タツノコプロ

昆虫物語みなしごハッチ(1970年)
アニメの名門であるタツノコプロのメルヘンアニメの代表作。
70年のアニメのほか、74年と89年にも製作されており
年末のアニメ特集とも相まってこちらも知らない人がいないくらいの作品。
コスプレとしてはやや擬人化としての再デザインが必要なところはありますが
衣装を作ってお子さんに着せてみたりというのはいかがですかね。

© 赤塚不二夫 、東京ムービー

天才バカボン(1971年)
赤塚不二夫先生のナンセンスギャグコメディ作品。
現在では世界を代表する大コメディ作品であり、
近年続編である「深夜天才バカボン」も含め、これまで5作が作られている
長寿作品でもあります。
絶えず作品が作られていることや、
同じ赤塚先生作品の続編である「おそ松さん」のヒットにより(?)
こちらもコスプレされる方がいらっしゃる模様です。
あの特徴的な腹巻姿や、レレレのおじさんの様相は
意外とコスプレ向きと言えるかもしれません。
(これでいいのだ!)

©手塚治虫、手塚プロダクション

ふしぎなメルモ(1971年)
手塚治虫先生原作の女児向け作品で
ふしぎなキャンディーで変身するストーリー。
意外にも性教育を意図して作られた作品であり
アニメが教育としての役割も持てるという
アニメーション時代の変化も感じ取れる作品です
コスプレとしても優秀な面はなんと言ってもわかりやすい衣装の色合いと
大人から事もまで変身できるという設定でしょうか。
(背丈をうまく利用する事もできそうですからね)

©モンキー・パンチ、東京ムービー

ルパン三世(1971年)
日本ハードボイルド界を代表する作品のスタートが71年。
数多くの劇場版が作られているほか、
アニメ版では近年までスピンオフを含めて6作品が作られた超長寿作品です。
海外人気も高くコスプレにおいては国内外問わず
コスプレをされる作品でもあります。

浜中町では過去にはこんなイベントも

ちなみに聖地は作者モンキーパンチ先生の出身地、
北海道の道東に位置する浜中町。
実は街のあちこちにルパンスポットが作られていますので
一度聖地巡礼に行ってみるのも面白いかもしれません。

© 手塚治虫、

海のトリトン(1972)
日本におけるコスプレの第一号を生み出した作品…と思われていたようですが
実際には「火星の秘密兵器」というSF小説の格好を誤認しただけのようです。
(この出来事は77年のコミケでの事らしいです)
(画像検索してみるとたしかにちょっと似てました)
それにも関わらず第一号という報の方が先に伸びたせいか
実は検索すると多くの方が本作のコスプレをなさっているようで
現代ではコスプレから作品を知るという方向で見ても
面白いかもしれません。

©タツノコプロ

科学忍者隊ガッチャマン(1972年)
タツノコを代表するヒーロー戦隊作品。
OVAや映画だけでなくバラエティ番組によるパロディなど
昔のアニメにも関わらず意外と多くの人に認知されている作品です。
前述の「海のトリトン」の次にコミケ会場で見られたコスプレが
本作であるという情報もあり、現在でも衣装販売が
各通販サイトで見られることから、
一定の需要を発生し続けている作品とも思われます。

(個人的にはバードミサイルの発射スイッチが欲しいところですw)

© 吉沢やすみ 、 Aプロダクション

ど根性ガエル(1972年)
72年と81年に作成された作品。
こちらはご存知、シャツに張り付いて「平面ガエル」となってしまった
カエルの「ぴょん吉」がシャツの主であるひろしと織りなすギャグストーリー。
コスプレとしてというよりもファッションネタとして
「平面ガエルシャツ」単体でも存在ができてしまうので
使い方はより幅広いと言えるかもしれません。

©永井豪、ダイナミックプロ 、東映動画

マジンガーZ(1972年)
永井豪先生作のスーパーロボットの元祖!
これまでは車のような乗り物やリモコンでロボットを遠隔操作し
戦うのは生身といった作品が主流でしたが、
乗り込んで操作して戦う!というスタイルは本作が初でしょうか。
そのためキャラクターのコスプレだけでなく
ロボット本体のガワコスもまた多く見受けられます。

さらに本作のOPを歌う「水木一郎」さんもまた
個性の強いキャラクターであり
赤いジャケットや、風になびいた形に固定されたスカーフを真似し
現在ではこちらのコスプレをする人も増えるという
アニメ本編のみならず、その歌い手の方にも
強くフォーカスされていった側面も見られました。

© 藤子・F・不二雄

ドラえもん(1973年)
日本を代表するタヌk…じゃなくて猫型ロボット!
本編の知名度もさることながら、
様々なパロディCMやバラエティで取り上げられるほどです。
この73年で作成されたのちに、多くの方が知る79年から2005年までの
長期にわたり放送されたのち、現在のシリーズへと継続してされています。
コスプレ面でも登場人物たちの固定された服装はトレードマークにもなっており
その配色や柄だけでキャラクターとしての判別ができるほどです。
今後もどのようなコスプレが披露されるのかが注目され続けることでしょう。

©タツノコプロ

新造人間キャシャーン(1973年)
タツコノプロ作品の孤独のヒーロー
実写映画(は微妙でしたが)やOVA、さらには2008年にもリメイクがされ、
今でもタツノコ作品らしいキャラクターの愛され方がされています。
コスプレとしてもタツノコ作品は全体的にとてもコスプレがしやすい
キャラクターデザインのため、当時を懐かしいと感じた方は
もう一度試聴してみるのもいかがでしょうか。

©山本鈴美香

エースをねらえ!(1973年)
日本における最初の(?)テニスブームを巻き起こした作品。
スポコンものは今も昔も変わらぬ人気作となりやすいようです。
(実はリメイクも続編もドラマまで作られていたりします)
ブーム繋がりでテニプリキャラクターと夢の共演
なんていう遊び方が出来そうなのもコスプレの可能性と魅力でしょうか。

©永井豪、ダイナミックプロ 、東映動画

キューティーハニー(1973年)
永井豪先生が生み出した戦うスーパーヒロインの代表格。
73年のアニメの他にも続編やリメイクや映画など
近年まで様々な形で登場を続けてきています。
もちろんコスプレとしても現在も人気のキャラクターで
こちらも国内外問わず多くの方々がコスプレを楽しんでいます。

©ヨハンナ・スピリ、ズイヨー映像

アルプスの少女ハイジ(1974年)
こちらもご存知誰もが知る名作アニメと呼ばれる作品。
こちらも名シーンや名物キャラクターや
パロディCMなど数多くの場面でも使われていますので
単にそのままのコスプレとしても、内容的なネタとしても
使用が可能です。(大体がクララが立った!のシーンですが)

©田中英二、ナック

チャージマン研!(1974年)
当時のアニメとしては一般的(?)なものではあるが
その話のテンポやシュールさで
何故か2000年代にネット界隈を中心に話題となった作品
そのため今でも本作そのままのキャラクターのコスプレが
闊歩するという不思議な光景が目の当たりにできます。

©ひろみプロ、成田マキホ、東映動画

魔女っ子メグちゃん(1975年)
東映魔女っ子シリーズ第7作。
主人公を鏡に写したようなライバルの存在や
真の悪役の存在など、今日の魔法少女ものにも
影響を与えているように見受けられます。
少女漫画やファッショングラビアも参考にされたためか
当時も女の子に限らず、男の子にも人気で
今でもコスプレ界隈においても人気の高い作品となっています

© 永井豪、石川賢

ゲッターロボ(1974年)
変形合体ロボットの元祖!
こちらの74年のアニメのほか翌75年と91年に続編が作られ
さらには今もなおゲーム作品に登場する猛者とも呼ぶべき作品。
流石に物理的に難解な変形ではありますが
コスプレ界隈においては各形態のガワコスを作成している方がいらっしゃったり、主人公流竜馬をはじめとした劇画調の顔をメイクで再現するなど
各方面に力を入れたレイヤーさんが居るこちらも面白い作品と言えます。

©タツノコプロ

破裏拳ポリマー(1974年)
ブルース・リーブームを受けて誕生したタツノコヒーロー
タツノコヒーローは実は軒並み90年代にOVAリメイクがされているので
70年代に見ていなくても後のレンタルビデオ屋さんで借りて見ましたという
30〜40代の方も多いのではないでしょうか。

© 西崎義展、山本暎一(企画原案) オフィス・アカデミー

宇宙戦艦ヤマト(1974年)
戦艦大和を世に広く知らしめた作品。
実際に現在の数多くのアニメにも影響を与えた革新的作品だったようで
この数年後のコミケでは、コミックマーケットが漫画主体のイベントから
アニメ主体のイベントへと変わっていくきっかけともなったほどだとか。

©西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会

近年でも「宇宙戦艦ヤマト 2199」や続編である「宇宙戦艦ヤマト 2202」として
リメイクされており、昨今のコスプレブームの影響もあってか各社から
旧昨晩新作版ともに衣装が販売されています。

リメイクや続編もあれこれ

アニメの人気が確実なものとなり
人気作品が続投したりリメイクされるというのも
この頃からかもしれません。

新オバケのQ太郎(1971年)
前回はモノクロだったところを待望のカラー化!
一般的なQちゃんはこちらですね。
前回の60年代編で好評を博したアニメが
再アニメ化されてきたのも
テレビがモノクロ→カラーに変化&普及してきた
特徴でしょうか。

昆虫物語新みなしごハッチ(1974年)
よく年末の名シーン特集であるのは
前作「昆虫物語みなしごハッチ 」のラストシーン。
こちらはその続編で、私も存在を知りませんでした(>▽<;;
(89年にもリメイクされています)

グレートマジンガー(1974年)
72年~放送のマジンガーZの続編で放送枠も
そのままの翌週からの続投でした。
そう考えると72年から75年まで3年間も放送していたなんて
今では考えられないすごい放送スケジュールです。

70年代はアニメの革新期

だんだんとよく見かける話の元ネタが出てくるようになってきたでしょうか。
視聴年齢層も段々と幅広くなっており、
本格的に子ども以外にもシェアを拡大していこうとする節が垣間見えてきてはいないでしょうか?
70年代からアニメは爆発的に増えていきますので
今回はここまでっ(次は何年代までいけるのでしょうか~…)

次70年代②へ ↓

前回60年代編↓

参考:wikipedia、コミックマーケット年表dアニメストア