32.聖地ってどんなものがあるの?

さて前回の続きです
今回は具体的な例をちょろっと挙げて見たいと思います

聖地を利用した代表

商店街や市町村など、聖地として作品を取り上げて活かそうとする試みは、今や全国各地で広く見られるようになりました。

アニメをうまく取り入れた代表「大洗」

© GIRLS und PANZER Finale Projekt

茨城県 大洗町
「ガールズ&パンツァー」

「ガールズアンドパンツァー」で有名な、“戦車道”の聖地「大洗」は、
最も成功した例として各方面のメディアにも取り上げられる例となりました。

↓ 大洗観光協会のホームページ内にも特設サイトがあるほど
https://www.oarai-info.jp/page/page000179.html

作中では試合の舞台となり、劇中で破壊された建物と同じ宿に泊まりたい!というファンの方が大勢遊びに来たり、建物に砲撃を受けた部分と同じ箇所にブルーシートをかけるホテルがあったりと、ファンと地元の方々が一緒に楽しんでいる様子が見受けられました。(昔でいうところの西部警察やゴジラ映画みたいですね)

東京以外の聖地の集合地「岐阜」

実はアニメの集合地岐阜県。
場所も広く高山市だけに留まらず、世界遺産の白川郷や、岐阜市大垣市など県内ほぼ全域にわたって、話題を呼んだ映画「君の名は」を始め、「文芸部シリーズ」など、意外にも数多くの作品の舞台となっています。

ちなみに内閣府が作成したコスプレを観光インバウンドとするセミナーにおいても、飛騨高山周辺の例が挙げられてるんですね。

場所から作られた作品「鴨川」

©ラグランジェ・プロジェクト

千葉県 鴨川市
「輪廻のラグランジェ」

原作の無いオリジナルアニメであれば、最初から地域と一緒になって作れるというタイプの試みで生まれたのが「輪廻のラグランジェ」という作品。
アニメ内で使用される背景や場所、商品やイベントなどは実際にあるものだらけで、観光推進アニメと言えたでしょう。
(ちょっとごり押し感も強めでしたが、新しい作り方ではありました)

北海道の聖地の例としては

©野田サトル/集英社

観光の名所だらけである北海道も
アニメ、映画問わず多くの作品の舞台となっています

札幌市

「Working!!」

©Karino Takatsu/SQUARE ENIX

札幌市内のとある架空のレストランを舞台にした作品。
レストランは架空のものですが、背景などたまに札幌近郊が使われています。

「波よ聞いてくれ」

©沙村広明・講談社/藻岩山ラジオ編成局

完全に札幌市で、作中でも「ビアガーデン」や「某深夜の旅行(?)番組」を思わせるワードなどがちょいちょい出てきます。ちなみに北海道のラジオ「Air−G」さんで、企画として実際のラジオ番組としても放送がされていました。

さらに主人公の鼓田ミナレさんは札幌観光大使にも任命されたようです(おめでとうございます!)
https://namiyo-anime.com/news/post32/

VOCALOID2 初音ミク

© Crypton Future Media, INC.

こちらも聖地。アニメやゲームではありませんが、制作会社である「クリプトン・フューチャー・メディア」さんの本社があるということで、路面電車や雪像など一般の目にもつきやすい場所にも沢山登場しています。

洞爺湖

「天体のメソッド」

©霧弥湖町観光協会

北海道におけるコスプレのメッカ、洞爺湖も前回お伝えした銀魂以外にも作品の聖地となっています。
物語のメインの舞台となる「霧弥湖」のモデルであり、随所に洞爺湖温泉街の街並みや札幌の北海道庁などが登場しています。
架空の場所を演出し複数のロケ地を混ぜて作成されているので、繋げると現実のものとは大きく違いますが、この場所がモデルにされているとはっきり分かるつくりなのでチェックするのも面白いです。

道東方面

「銀の匙」

©荒川弘・小学館/エゾノー祭実行委員会

作中の「大蝦夷農業高等学校」の所在は北海道十勝方面にあるとある農業高校がモデルのため作品の大半の舞台が雄大な十勝の大地になります。(広すぎる…)
また作者の荒川先生のご実家もこちらにあることから多くのファンからは、銀の匙の他にも鋼の錬金術師の風景のモデルではないかと目されています。

ちょっと特殊な聖地の例も

http://mmb-airport.co.jp/sp/yukari.html
© MEMANBETSU AIRPORT BUILDING Co.,Ltd All Rights Reserved.

北海道網走郡大空町の小さな空港「女満別空港」。
こちらは空港アナウンスに「ボイスロイド」( YAMAHA株式会社のVOCALOID™エンジン(歌唱用音声合成技術) )を起用しているという特徴があります。
元はオホーツク地域の一層の知名度向上を目的としての採用だったようですが、ファンの中からは空港のイメージキャラクターとして認知されるようになり、ちょっと変わったに聖地としてもみられています。

聖地は様々な形で利用されている

いかがでしたでしょうか、ほんの一部なので国内どころか道内だけでも本当にまだまだありますが、これだけ多くの地域が作品との何らかの結びつきを持っていると考えると、観光資源としてはとても重要な側面があると思います。

これからのGO TO キャンペーンや、さらに新型コロナの終息が達成され、旅行シーズンが再開し始めた際にはぜひとも”聖地への巡礼”も兼ねた旅行プランを、色んな地域からも発信してくださると楽しいなと思います。

さて、そんなワケ話のキリが良い感じですが
まだもうちょっとだけ来週に続きます。